韓国企業の中国進出と今後の展望
-IT産業を中心に-
<要約>
韓国と中国が国交を樹立してから,もはや10年という時間が経った。両国は1992年国交を樹立した以降、政治、経済、社会等各分野で活発な交流が行われており、特に経済分野の交流成果が目ざましい。特に中国が1978年から改革開放政策を推進し、2001年WTOにも加入したことによって改革開放政策の幅は一層広がり、地理的に隣接している韓国との交流は年々緊密になっていった。
歴史的にも密接な関係を維持してきた韓国と中国は21世紀グロバール化の時代をむかえた。東北アジアでも新たな経済協力秩序が形成されつつある中で、今後韓国が中国とどのような経済的相互関係を構築するのかということは東北アジアにおける韓国の長期的地位を決定する重要な変数になるだろう。
現在中国は世界経済の中で日に日にその地位を高めている。特にIT産業は飛躍的に発展しつつある。2003年中国政府は先端技術製品に対する「外国人投資奨励産業目録」を制定し、IT産業を未来の核心産業として育成しようとする戦略を表明している。
そして、韓国IT企業の中国進出も次第に重要になってきている。以前、中国との経済交流が初期段階であったときは、単純な製造業分野への進出が大きい割合を占めていたが、現在はIT企業の中国進出も活発化している。韓国IT企業の競争力と技術力は世界でトップクラスに位置し、世界最大市場である中国への進出が韓国企業に巨大な利益をもたらすことが予想される。
この報告書ではまず、韓中経済交流の歴史と推移及び現況について、次に中国IT産業の全般的な状況と韓国企業の中国進出現況を踏まえ、韓国企業の進出方向を考察することにする。
―目 次― |
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Ⅰ. IT産業を中心とした韓中経済交流の現況 |
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1. 韓中経済交流の現況 |
(1) 韓中経済交流の歴史 |
(2) 韓国の対中国経済関係の推移 |
a 貿易 |
b 投資 |
(3)韓中経済交流の現況 |
a 地域別経済交流 |
b 業種別経済交流 |
c 両国間の主要懸案と展望 |
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2. 中国IT企業と韓国企業の対中進出 |
(1)中国IT産業の最近の動向 |
a パーソナル・コンピュータ(PC) |
b 移動通信(CDMA) |
c ソフトウェア |
d インターネット産業 |
e B2B、B2C |
f 中国IT市場の展望 |
(2) 韓国企業の進出状況 |
a サムソンなど大手企業の中国進出状況 |
b 中小企業の中国進出状況 |
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Ⅱ. 韓国企業の中国進出方向と今後の展望 |